災害時の停電やアウトドア、工事現場など、発電機が必要になる場面は意外と多いものです。
でも、いざ購入を考えると「ガソリン式とガス式、どっちがいいの?」と迷ってしまいますよね。
実は私、2011年の東日本大震災を仙台市太白区で経験したのですが、その時は職業柄とキャンプ好きが功を奏して、ガソリン式とガス式の両方を持っていたんです。
※その頃は、会社が仙台にありました!
震災直後の長期停電中、両方を実際に使い分けながら過ごしました。
あの時の経験で痛感したのは、どちらも一長一短があるということ。
ガソリン式はパワフルだけど音が気になる、ガス式は静かだけど燃料コストが...といった具合に、それぞれ得意分野が違うんです。
今回は、そんな実体験を踏まえて、両者のメリット・デメリットを本音でお伝えしていきます。
Contents
ガソリン式とガス式の基本的な違い


まず、この2つの発電機の根本的な違いを整理しておきましょう。
どちらもエンジンで発電機を回して電気を作る仕組みは同じですが、燃料が違います。
ガソリン式発電機

その名の通りガソリンを燃料にします。
車と同じ燃料ですね。ガソリンスタンドで簡単に手に入るので、燃料の調達は楽です。
エンジンも車と似た仕組みなので、パワーが出やすいのが特徴です。
ガス式発電機

LPガス(プロパンガス)や都市ガスを燃料にします。
カセットコンロのガスボンベを使うタイプもあります。
なかには、カセットガスとガソリンの両方を使うことができるハイブリットタイプもあります。
ガソリン式発電機の特徴

ガソリン式発電機は、車やバイクと同じガソリンエンジンを使った発電機です。
「パワー重視」の発電機と考えてもらえばわかりやすいでしょう。
大きな電力が必要な時や、長時間の連続運転が必要な場面で力を発揮します。
燃料のガソリンはどこでも手に入りやすく、機種の種類も豊富なので選択肢が多いのも特徴です。
ただし、その分エンジン音は大きめで、排気ガスも出るため、使用場所を選ぶ必要があります。
ガス式発電機の特徴

ガス式発電機は、LPガス(プロパンガス)やカセットガスを燃料にした発電機です。
「静音・クリーン重視」の発電機と考えてください。
ガスコンロのように燃焼がとてもきれいで、排気ガスに有害物質がほとんど含まれていません。
また、エンジン音もガソリン式と比べてかなり静かなので、住宅街やキャンプ場でも周りに迷惑をかけにくいのが大きな特徴です。
燃料のガスボンベは保管しやすく、ガソリンのように劣化する心配もありません。
ただし、出力はガソリン式より控えめで、燃料コストがやや高めになる傾向があります。
ガス発電機の最大のメリット:燃料調達が超簡単!

ではここで、ガス式のメリットを解説します。
ガス発電機の一番すごいところは、高い携行缶を買わなくていいこと。
カセットガスを買ってくるだけで、誰でも簡単に発電機が動かせるんです。
これ、本当に大きなメリットですよ。
ガソリンの携行缶をもってスタンドに行くのが結構面倒なんですよね。
カセットガスはどうでしょう?
コンビニやホームセンター、スーパーでも簡単に買えます。
3本パックでも500円程度と安価で、冬に限りますが車に常備しておいても危険性が低いんです。
使い方も、カセットコンロと同じようにカチッとはめるだけ。
ガス発電機の最大のデメリット:燃料コストが意外と高い!

でも、ガス式にもデメリットがあります。
一番痛いのは、実は燃料代なんです。
カセットガス自体は安いんですが、長時間使うとボンベの消費が激しくて、トータルコストがけっこうかさむんですよね。
ここまで燃料面での特徴を詳しく見てきましたが、ガス式発電機にはまだまだメリット・デメリットがあります。
実際に使ってみないと分からない部分を整理してみましょう。
ガス式発電機:その他のメリット
メリット1:とにかく静か
これは本当に驚きます。
ガソリン式が「ブルブルブル」という大きな音なのに対して、ガス式は「シューー」という小さな音。
深夜や早朝でも近所迷惑になりにくいんです。
キャンプ場でも周りのテントに気を使わなくて済みます。
メリット2:排気ガスがきれい
ガスはガソリンより燃焼がクリーンなので、排気ガスの匂いがほとんどしません。
車庫や屋内に近い場所でも使いやすく、環境にも優しいです。
メリット3:始動が簡単
ガソリン式だと、冬場や久しぶりに使う時にエンジンがかからないことがありますが、ガス式はガスさえあれば確実にスタートします。
リコイルスターター(ひもを引くやつ)も軽い力で済むことが多いです。
わたくしごとですが、ガソリン式の紐を引っ張るとよく肩を痛めます・・・
ガス式発電機:その他のデメリット

デメリット1:機種の選択肢が少ない
ガソリン式と比べると、ガス式は機種が限られています。
特に大出力のモデルはほとんどないので、用途によっては選択肢がない場合も。
デメリット2:ガスボンベの規格問題
カセットガス用、LPガス用など、対応するガスの種類が決まっています。
間違って買ってきてしまうと使えないので注意が必要です。
デメリット3:連続運転時間が短い
一本のガスボンベで動く時間が限られているので、長時間の連続運転には向きません。
夜通し動かしたい場合は、途中でボンベ交換が必要になります。
ここで、いったんガス式のメリット・デメリットを短くまとめます!
ガス式は「短時間・低出力・静音重視」の用途にはピッタリですが、「長時間・高出力・コスト重視」ならガソリン式の方が向いています。
ガソリン発電機の最大のメリット:大出力で長時間運転が可能!
ガソリン式発電機の一番すごいところは、とにかくパワフルで長く動き続けることです。
ガス式では難しい「電力をたくさん使う家電」や「一晩中動かし続ける」といった使い方ができるんです。
なるほど・・・・
だから、多くの人がガソリン式を選ぶんですよね?
そういう事!じゃあ~つぎはデメリットを説明してみる
ガソリン発電機の最大のデメリット:騒音と排気ガス!
ガソリン式にも大きなデメリットがあります。
一番の問題は、音がうるさくて排気ガスが出ることです。
パワーがある分、どうしても「迷惑をかけやすい発電機」といったイメージを持ってる人も多いんじゃないでしょうか?
ここまでメリット・デメリットをザックリ解説しましたが、ガソリン式発電機にはまだまだメリット・デメリットがあります。
実際に使ってみないと分からない部分を整理してみましょう。
ガソリン式発電機:その他のメリット
燃料が手に入りやすい
ガソリンスタンドは全国どこにでもあるので、燃料切れの心配が少ない。
機種の選択肢が豊富
小型から大型まで、値段も機能もいろいろ選べるので、自分にピッタリの機種が見つかりやすい。
修理やメンテナンスが楽
車と同じエンジンなので、修理できるお店が多い。
部品も手に入りやすい。
寒さに強い
ガスと違って、冬の寒い日でも性能が落ちにくい。雪国でも安心して使える。
一度の給油で長時間動く
タンクが大きいので、頻繁に燃料を補給する手間がかからない。
パワーが安定している
燃料が減ってきても、最後まで同じパワーで動き続ける。
結論!ガソリン式は「パワー重視で音は我慢」という発電機。
災害時や工事現場など、多少音が出ても問題ない場面では最強の相棒になってくれます。
ガソリン式発電機・東日本大震災で困ったこと

ここで、私の実体験をお話しします。
ガソリン式発電機を持っていたにも関わらず、震災時に思わぬ落とし穴がありました。
ガソリンが買えない現実

東日本大震災の時、一番困ったのはガソリンの確保でした。
震災後、ガソリンスタンドは長蛇の列。しかも営業しているスタンドを見つけるのも一苦労でした。車のガソリンもたまたま少なくなっていたので、「発電機用のガソリンを確保するか、車で移動するためのガソリンを確保するか」という選択を迫られました。
2000円までの給油制限
やっとガソリンスタンドに辿り着いても、今度は「お一人様2000円まで」という制限がありました。当時のガソリン価格だと、せいぜい12~13リットル程度。車に入れたら発電機の分はほとんど残りません。
しかも、困ったことに2時間待ちがザラ・・・
ほんとに、困りました。
東日本大震災のときはガソリン式の発電機が初日はほとんど役に立たなかった?

結果的に、せっかくのガソリン式発電機が本当に必要な2日間ほとんど使えませんでした。「パワフルで長時間動く」というメリットも、肝心の燃料がなければ意味がないんです。
この経験から学んだのは、「発電機の性能も大事だけど、燃料の確保しやすさはもっと大事」ということでした。どんなに優秀な発電機でも、燃料がなければただの重い箱です。
一方、カセットガスは震災後もコンビニはあっというまに売り切れていましたがホムセンで比較的手に入りやすく、「ガス式も一台あってよかったな」と思ったことをよく覚えています。
あと、ガス式はカセットコンロなんかとも共有できるから、2日間くらいはホントに重宝しました。
しかし、社長!ガソリンをストックしとけば、よかったんじゃないですか?
なにを言ってる・・・・汗
ガソリンは、保存がきかないんだよ!
発電機の中にガソリンを残すなっていつも言われてるだろう?
ガソリンは腐るんだよ
あっ!そうか保存ができないって言ってましたよね。(汗)
されど所詮はガス式の発電機、燃料が確保ができるとやっぱりガソリン式に軍配が上がる

東日本大震災から3日後、停電がいつまで続くか分からない状況で、燃料確保のためガソリンスタンドに向かいました。
長時間並ぶ覚悟で臨み、2時間の待機を経てようやく10リットル以上の燃料を手に入れることができました。
ガス式発電機も持っていましたが、本格的な電力供給となるとガソリン式には敵いません。
私はガス式発電機のガス缶をカセットコンロやランタンの燃料として使い回すことにしました。
冷蔵庫やテレビなどの家電製品を安定して動かすには、ガソリン式発電機の方が圧倒的に頼りになります。
この判断が正しかったことは復旧状況を見れば明らかでした。
電気は1週間で復旧しましたが、ガスは2週間以上かかったのです。
もしガス式発電機に頼っていたら、より長期間の不便を強いられていたでしょう。
ガス式発電機にも利点はあります。
カセットボンベは汎用性が高く、調理や照明にも活用できます。ただし主力電源としては、やはりガソリン式に軍配が上がります。
燃料さえ確保できれば、ガソリン式発電機で震災中も電気の心配をすることなく快適に過ごすことができました。
社長っ!結局、災害時はどっちの発電機がいいんですか?
ガソリン式だよ!
えっ?だって散々ガソリン式は燃料がないと使えないって言ってたじゃないですか?

燃料は、そこにあるだろう?ほら、50ℓ入る相棒が・・・・
常に車の燃料は満タンにしとけってことだよ!
いざという時は車から燃料を取り出せばいいんだよ!
東日本大震災のとき大失敗したのは、クルマの燃料が空だったことだね!
なるほど・・