東京都港区で行われた焼き芋祭りイベント会場にあるビル群


導入企業様のプロフィール

企業名:東京都 イベント運営会社様(※企業名非公開)
業種:イベント企画・運営
利用シーン:東京都内港区で開催された屋外イベントにおける各ブースの設営

テントの天敵「強風」と、ペグが打てないイベント会場

テントのペグが打てないイベント会場で荷物をハイエースから下ろすアトラスのスタッフ

Mさんからお電話で状況を伺うと、今回の「焼き芋祭り」の会場は東京の港区。しかも、地面は全面コンクリートの広場だということでした。

テントを扱う人間にとって、コンクリートの会場というのは本当に厄介なんです。というのも、テントを地面にガッチリ固定するための「ペグ(杭)」が一切打てないからですね。ペグが打てないということは、極端な話、テントが地面の上にただポンと乗っているだけの状態になってしまいます。

さらに状況を厳しくしていたのが、今回のご依頼が「四方を横幕でぐるりと囲ったテント」だったことです。

焼き芋のイベントですから、風除けや熱を逃がさないためにも横幕は絶対に必要です。でも、風の逃げ場がなくなるため、テント全体がまるでヨットの帆のように風の力をモロに受けてしまうんです。

ビル風をモロに受けそうな環境。経験上嫌な予感がする。
なんだか・・・嫌な予感がする現場でした。典型的なビル風をモロに受けそうな公園です。

おまけに時期は、一年の中でも特に風が強く吹き荒れる3月。現場を直接見ていない私でも、港区の高層ビル群に囲まれた会場特有の「ビル風」が吹き降ろしてくる光景は、容易に想像がつきました。

「ペグが打てない」「横幕で風をモロに受ける」「予測不能なビル風が吹く」。

この悪条件が揃えば、ちょっとした突風でもテントは簡単に吹き飛ばされてしまいます。万が一、来場者や火を使っている屋台に飛んでいったら大惨事です。 担当者Mさんが頭を抱え、ご自身で「柱1本につき40kgの重りが欲しい」と計算してSOSを出してきたのも、イベントを安全に運営する責任者として当然の危機感でした。

他社に断られた「強風対策」と「大量の重り」

キャラバン・ワンタッチテント専用の10kg錘

ペグが打てないコンクリート会場で、ビル風の恐怖。なんとかテントを飛ばされないようにしなければならない。

ただ、私は東京の現場を直接見ていたわけではありません。強風の恐ろしさを一番肌で感じ、頭を抱えていたのは、現場を仕切るイベント主催者Mさんご自身でした。

イベント主催者Mさんからは、こんな切羽詰まった、そして非常に具体的なSOSが飛んできたんです。

「テントの柱1本につき40kgの重りをつけたいんです。テント8基分と予備を含めて、10kgのベースプレートを全部で『150個』用意してもらえませんか?」

柱1本に40kgということは、テント1基で160kg。総重量にして実に1.5トンです。

実はMさん、うちにご相談いただく前に、他のレンタル業者さん何社かにも当たっていたそうです。でも、どこも「イベントまであと5日しかないのに、そんな大量の重り(150個)は急には出せない」と断られてしまったとのこと。

無理もありません。テント本体の在庫はあっても、10kgの鉄のプレートを150個も直前の依頼でポーンと出せる業者は、そう多くないのがこの業界のリアルです。

ですが、うちにはありました。

「大丈夫ですよ。うちはベースプレートを大量にストックしてますから、150個、全部ご用意できます!」

他社で断られ続け、途方に暮れていたMさんの「本当ですか!?」というパッと明るくなった声。自社の強みである「圧倒的な在庫力」が、お客様の直前の大ピンチを救った瞬間でした。

よし、これで無事にイベントが開催できる。 加須の倉庫からテント一式と1.5トン分の重りをトラックに積み込み、いざ港区の現場へと向かいました。

設営から撤去までワンストップ!初心者も安心の「現場レクチャー」

ワンタッチテントの設営方法をイベント運営のスタッフ様に実演する当社の社長とスタッフの亀山くん

「どれくらいで建ちます?」半信半疑のMさんの前でテントを広げる

迎えた3月5日の設営当日。あれだけ強風を心配していましたが、いざ現場に着いてみると風は全くなく、拍子抜けするほど穏やかなお天気でした。

トラックからテントを下ろしていると、担当者のMさんが少し不安そうな顔で聞いてこられました。 「これ、設営にどれくらい時間がかかるんですか?」

実はお客様のスタッフの皆さんは、ワンタッチテントを扱うのが今回が初めてとのこと。本当に自分たちでパッと建てられるものなのか、かなり半信半疑だったようです。

「すぐ終わりますから、ちょっと見ていてくださいね」

イベント主催者スタッフにテント設営の指導をするアトラスの社長

そうお伝えして、私の方で実際に1基、テントを広げて見せました。骨組みを引っ張って広げ、カチッと脚を伸ばす。だいたい3分くらいでパーッと仕上げてみせると、Mさんも周りのスタッフさんたちも「えっ、もう建ったの!?」と目を丸くしてびっくりされていました。

今回は全部で9基のテントと150個の重りがあったので、設営や横幕の取り付けは全てうちの方で手際よく進めました。通常、レンタル業者でここまでやることは少ないのですが、今回は状況が状況でしたからね。

テント設営の注意点を説明するアトラスのスタッフ

ただ、私たちが全部やって終わり、ではありません。イベント中はスタッフの皆さんがテントを管理することになります。ですので、各店舗の担当者さんたちにも集まっていただき、正しいテントの広げ方と、安全なたたみ方を一緒にやりながらしっかりとレクチャーさせていただきました。

「10m吹いたら撤去を」風速計と共にお伝えした強風時のリスク

キャラバン・ワンタッチテント3m 3mのタイプ
このテントが、怪しいと思っていましたが・・・予感的中です。このテントが崩壊してしまいました。

テントの設営がひと段落して一息ついた頃、ふとスマホで明日以降の天気予報を確認しました。初日の今日は穏やかなんですが、明日は少し天気が荒れ模様になる予報が出ていたんです。

うちでは、数日間にわたる長期の貸し出しの場合、無料で風速計をお貸ししています。今回も担当者のMさんに風速計をお渡しして、少しシビアな話をさせてもらいました。

「1基につき160kgの重りを用意しましたけど、正直に言うと、どんなに重りを積んでも自然の風には無力なんです」

ワンタッチテントを組み立てる主催者のMさんとイベント運営会社のスタッフ

実はワンタッチテントって、天幕(屋根)のてっぺんに風が抜けるメッシュ部分がついています。ただ、今回のように四方を横幕で完全に囲ってしまうと、その風抜けがうまく機能しなくなり、どうしても横風に弱くなってしまいます。テント全体が巨大な「帆」のようになって、風をモロに受けてしまうんですね。

アトラスが発電機・テントのレンタルで無料で貸し出す風速計と騒音計

ですので、Mさんには包み隠さずこうお伝えしました。

「天気予報やこの風速計を見て、風速が10m近くになったら、テントは撤去(または脚を一番下まで落とす)することをお勧めします。イベントを続けたい気持ちはわかりますが、安全第一で撤退するのも勇気ある判断ですから」

夜間など現場に人がいなくなる時間帯も、必ずテントを一番下まで落として保管しておくようにお願いして、その日は現場を後にしました。

予期せぬトラブル発生!強風によるテント破損と夜間緊急対応

夜に電話がありテントが破損したので急遽準備する風景

休日の夜7時に鳴った電話「テントが吹き飛んだ!」

実は、テントを設営した初日の夜から、加須の自宅周辺でもほんの少し風が強くなってきていました。

無事に1日目のイベントが終わったと聞いて安心はしていましたが、どこかで港区の会場のことが頭に引っかかっていたんでしょうね。夜中、ふと窓を叩く風の音で目が覚めてしまい、そこからしばらく寝付けませんでした。「加須でこれだけ風が強くなっているんだから、あのビル群に囲まれた港区はどうなっているんだ……」と気になり始めてしまって。

キャラバンワンタッチテントを設営するアトラスのスタッフ

翌2日目は、当社の定休日でした。 昼頃になると加須の方では少し風が弱まってきたので、「Mさんからも特に連絡がないし、なんとかやり過ごせたかな。あれだけ強風の注意はしたから、きっとうまく判断してくれただろう」と、少しホッとしていました。

そして迎えた夜19:00頃。 夕食に喜多方ラーメンを食べて、「さて帰るか」と店を出た、まさにその途端でした。

私の携帯電話が鳴りました。画面を見ると、担当者のMさんからの着信。 休日の夕方のこのタイミング……嫌な予感しかしません。急いで電話に出ると、Mさんはものすごく慌てたご様子でした。

「社長!テントが……やっぱり強風で吹き飛んでしまいました!」

聞けば、なんとかイベントを続行しようと踏ん張っていたものの、日中の突風に耐えきれず、テントの骨組みが破損してしまったとのこと。

幸いお怪我をされた方はいなかったようですが、Mさんの焦りは頂点に達していました。 「明日からの土日がイベントのメインなんです!どうしてもテントが2つ足りなくて……どうしたらいいでしょうか」

電話越しでも、現場の混乱とMさんの切迫した状況が痛いほど伝わってきました。せっかくのメインイベントが、テントがないせいで台無しになってしまう。ご担当者としては、生きた心地がしなかったと思います。

「Mさん、分かりました。なんとかしますから待っててください!」

私は休日の夜ということも忘れ、すぐさま行動に移しました。

当社の夜間配達「銀河鉄道便」。休日の夜でもハイエースで会場へ直行

アトラスの夜間急行便「銀河鉄道便」のイラスト

「Mさん、分かりました。今からすぐ準備して向かいます。到着まで2時間くらいみといてください」

電話を切った私は、すぐに加須の倉庫へ向かいました。

うちには「銀河鉄道便」という夜間・深夜帯の配達サービスがあります。夜間に動くとなると、どうしても人も揃いにくいですし、イレギュラーな対応になるため、通常は夜間割増として結構高めの料金をいただいているんです。

ワンタッチテントとテント運搬専用の台車をハイエースに積み込む

でも今回は、テント9基に重り150個というかなりの数を借りていただいた大切なお客様です。しかも、明日がイベントのメインというこの緊急事態。「ここで足元を見るような商売はしたくない」と思い、今回は夜間割増なしの通常料金のままで、至急予備のテントをお持ちすることにしました。

夜間のテント設営で一番使い勝手のいいマキタ製ワークライトML807

倉庫に着いて、自分のハイエースに新しいテントを2基積み込みます。 そして、夜の現場に向かう時に私が絶対に忘れてはいけないのが、相棒である「マキタのワークライト(ML807やML816)」です。

夜のイベント会場って、照明が落ちていて本当に真っ暗なんですよね。スマホのライトなんかじゃ、テントの状況確認や設営作業なんて全くできません。でも、このマキタのライトはすごくコンパクトなのに、ポンと置いておくだけで周囲360度をパッと明るく照らしてくれるんです。これが夜の緊急対応の現場では、本当に頼りになるんですよ。

新しいテントと相棒のライトをハイエースに積み込み、夜の高速を飛ばして、Mさんが待つ港区の会場へと直行しました。

柔軟な対応でイベントは大成功!お客様からの感謝の声

ワンタッチテントを撤収する風景

港区の会場に到着すると、すっかり暗くなったコンクリートの広場に、無残に骨組みが曲がったテントが置かれていました。

さっそく持参したマキタのワークライトを点灯させます。真っ暗だった周囲がパッと明るくなると、待っていたMさんたちスタッフの皆さんが、本当に申し訳なさそうな顔で駆け寄ってこられました。

「社長、夜分に本当にすみません……。どうしてもイベントを止めたくなくて、無理をして広げたままにした結果、こんなことになってしまって」

現場をなんとか回そうと必死だったお気持ちは痛いほどわかりますから、責める気持ちなんて全くありません。誰も怪我をしなかったことが、何よりも一番です。

港区のイベントに設営したワンタッチテント

すぐに壊れたテントを引き取り、お持ちした新しいテント2基をササッと組み上げました。

「明日も予報では風が吹くみたいです。どうか無理だけはしないでくださいね。危ないと思ったらテントを下げるのも、立派なイベント運営ですから」

お節介かもしれませんが、そうお伝えして、私は加須への帰路につきました。

週明け、イベントはどうなったかと気になっていたところ、「おかげさまで土日は無事に乗り切れました!イベントも大成功でした!」と、Mさんから弾んだ声でお電話をいただきました。それを聞いて、私も心の底からホッとしました。

ちなみに、破損してしまったテントについて、Mさんは「自分たちの判断ミスだから」と全額弁償になるのではないかと、ひどく心配されていました。でも、今回は事前に当社のレンタル保険にご加入いただいていたんです。

「今回は保険が適用されるので、ご負担は最小限で済みますよ。保険に入っていただいていて、本当に良かったです」とお伝えすると、電話口で心底安心されたご様子でした。

「他社で断られた大量の重りを用意してくれて、夜中のトラブルにも嫌な顔ひとつせず駆けつけてくれて……今回は本当にアトラスさんに頼んでよかったです!」

Mさんからいただいたその言葉で、休日の夜に喜多方ラーメンを途中で放り出してハイエースを走らせた甲斐があったなと、思わず顔がほころびました。

いろいろと予測不能な事態が起きた現場でしたが、Mさんたちの熱意あるイベントを、裏方として少しでも支えることができたなら、レンタル屋としてこれ以上嬉しいことはありません。